忘れられない思い出

2003年3月15日
もう結構前のことになるけれど・・・
ものすごく好きな人がいた。
あたしには彼氏がいた。
でもものすごく好きだった。

彼のちょっと小さめの口
その口で紡がれる優しいキスが大好きだった。

彼のにおい
深く深く彼のにおいを吸いこんでは安心して。
彼のにおいが大好きだった。

彼の手、とてもキレイでちょっと血管の浮いた手、
その手であたしを引き寄せてくれた
そんな彼の手が大好きだった。

あたしは彼のことをいつでも必要としていた。
彼氏と一緒にいる時も、その人のことを考えていた。
いつでも彼に会いたいと思っていた。
彼とキスしたいと思っていた。
彼に抱きしめられたいと思っていた。

あまり連絡をまめにしない彼が、
メールをたくさんくれた。
仕事のこと、自分のこと、私のこと。
嬉しくて、嬉しくて、鍵のマークのついたメールは
どんどんその数を増やしていった。

SEXもしたけど、別にしなくてもよかった。
一緒にいる幸せな時間についてくるオマケみたいなもの。
それでも自分を求められれば、やっぱり嬉しかった。

なかなか会えなかったけど、無理してでも会いに行きたかったし
無理して時間を作ってくれる彼に、申し訳ないと思いながらも
やっぱりうれしかった。

彼と私のためにしてくれる全てのことが
嬉しくて、幸せで、愛おしかった。


時は恐ろしいほどに過ぎていき
もう彼と会うこともない。
彼と連絡をとることもない。

あんなにお互い求めてたはずだったのに。

いつかは別れなきゃいけないことはわかってたけど
別れても離れないでいられる、そんな仲で
いられると思ってたのに。
そんな関係をお互い望んでたはずだったのに。

今、もう全く関係なくなってしまった今も
やはり彼を思い出すとちょっと苦しい。

どうしても最後まで捨てられなかった写真、
PCに浮かぶ彼の顔
涙が出そうになる

彼と行ったレストラン

彼と車を停めていろんな話しをした場所

彼とドライブをした道

彼と待ち合わせをした場所

いつになってもその場所を見るたび、彼のことを思い出す。

彼も同じことを思ってくれてるんだろうか。

今、彼に幸せな時間を過ごしていて欲しい。
心からそう思っている。

ただ・・・

他の女と、二度とあたしとのような付き合いをしないで。
あたしとのこと、いつまでも忘れないように
いつまでもあの時のこと、思い出せるように・・・

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